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新コロの2022年時点でのまとめ的な日記を書いたので、すでに実質的には始まっているともいえる「米露最終?戦争」についても少しだけ書き留めておきたい。
私は国際問題や経済問題にはトンと疎いので、事態がここまで危機的になるまでボ〜ッとしていたのだが、それはまあ、多くの日本人がそうなのだと思う。
ウクライナ危機というのは2014年のマイダンクーデターのときにすでに火ぶたが切って落とされていた。その時点で、私を含めてほとんどの日本人が、近い将来自分たちの生死に関わってくるかもしれない重大事件だと気づいていなかっただけだ。
濱田洋文博士のブログ経由で読んだのだが、
田中宇(さかい)氏はすでに2014年のマイダンクーデターの時点で今の世界的な危機をかなり正確に予測していたことが分かる。
田中氏が発信している情報はメルマガなどを通じてチラチラとチェックはしている。ただ、最近ではこれはちょっとどうなんだろ……という内容も多くて、徐々に距離を置くようになっていたのだが、2014年当時に書いているものはかなりキレッキレだった。
- ビクトリア・ヌーランド米国国務次官補(当時。現在は国務次官)らがマイダンクーデターを操っていた
- ソ連が崩壊し、独立国となったウクライナでは、ロシアが支援するヤヌコビッチや東部地域のロシア系住民(総人口の2割)と、米国が支援するティモシェンコや西部地域のウクライナ系住民(総人口の7割)との政治闘争が続いてきた
- 米国政権のタカ派やネオコンが、親露政権ができるたびに反政府運動を支援し、政権転覆のやり方を指導してきた
- プーチンはソ連崩壊後、経済的に混乱・堕落し、落ちるところまで落ちたロシアを建て直してきたが、ここから先は社会主義ではなく資本主義で旧ソ連邦をロシア主導版EUのように再統合し、米国主導の経済圏、米国が強く関与するEUやNATO勢力に対抗しようとしている
- ウクライナにとってはEUに組み込まれるより、ロシア経済圏に居続けるほうがずっと安定的な国力を保てるであろう
- 米国のタカ派指導者たちはロシアを潰すために、ウクライナを不安定化させ、戦場とすることでロシアを挑発し続けるという戦略を激化させた
- 米国が支援していたウクライナの民族主義者、極右ネオナチたちはロシアが大嫌いで、政権をとった直後、ロシア語を公用語から外し、東部地域からロシア語を話すロシア系住民を排除する民族浄化策を取っている
- 命を脅かされている東部やクリミア半島の住民がロシアに助けを求めるのは当然のことであり、それもまた米国は計算済み
……といったことを、2014年3月の時点で正確に分析している。
ただ、その田中氏でさえ、ウクライナ軍とロシア軍の本格的な衝突は避けられると希望的な観測をしていた。
クリミアには以前からセバストポリを中心にロシア軍がおり、新たに軍事駐留する必要がない。ウクライナ新政権樹立後、ロシア軍はクリミアでの特殊部隊の活動を拡大し、米欧日などでは、これを「ロシア軍の侵攻」と報じているが、ロシア軍はむしろ親露的なクリミア議会の要請を受けて動いており、侵攻とみなしにくい。 (
Haaretz 2014/2/21 On Ukraine, Putin holds all the cards and dictates the timetable)
ウクライナ軍とロシア軍が戦争になるかもしれないとの見方もあるが、これも誇張だ。ウクライナ軍は91年までソ連軍の一部であり、その後もロシアの影響力が強く、司令官の中には海軍を中心に親露勢力が多い。ウクライナ海軍の主力部隊は、中央政府が極右に代わった直後、ロシア側に寝返り、軍艦上のクライナ国旗を降ろしてロシア国旗に替えてしまった。 (
RT 2014/3/1 Ukrainian Navy flagship takes Russia's side - report)