内田樹と橋下徹
2013-05-31


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このところ、内田樹という人の書いているものをよく読む。フェイスブックなどでいろんな情報をたどっていくと、この人の文章に行き当たることが多い。
↑これは朝日新聞のオピニオン欄に掲載された文章だが、内田氏は紙媒体に出した文章を自身のブログでも全文公開することが多いので助かる。これは読んでおく価値があると思う。僕はこの内容に同感だ。

ブログに公開している文章は⇒こちら

上のリンクをたどっていただければ全文読めるのだが、長くて読む気がしないというかたのために、勝手にダイジェスト版を作ってみた。↓

国民を暴力や収奪から保護し、誰も飢えることがないように気配りすることを第一に考える政体を「国民国家」と呼ぶなら、日本は今、急速に「国民国家」であることをやめようとしている。
つまり、政府や官僚が、国民以外のもの、具体的にはグローバル企業(無国籍企業)の利益を最優先に考えて動くようになっている。
ことあるごとに、海外企業との競争に負けるようなら日本を出て行くぞ、そうさせないためには便宜を図れと政府に脅しをかける企業にとって、国民は「食い尽くすまで」は使いでのある資源である。そういう企業は自分たちのことを「日本の企業」であり、日本の利益を代表するものだと主張するが、実体は本来自分たちが負わなければならないリスクやコストを国民に負担させている(経済用語で言えば「外部化」させている)無国籍企業である。
こうした「企業利益の増大こそ国益の増大」という嘘を見破られないために、拝外主義的ナショナリズムを煽り立てる戦略もとられる。
この国で今行われていることは、「日本の富を各国、特にアメリカの超富裕層の個人資産へ移し替える」という作業である。
それを推し進める人たちが政治の要職につき、国政の舵をとっている。なぜか政治家も官僚もメディアも、それをうれしげにみつめている。
しかしまあ、この「国民国家の解体」という作業は日本だけでなく、全世界で起きていることだから、日本人だけが犠牲者というわけではない。そう考えれば少しは気が楽になるだろうか?

(以上、⇒これを要約したつもり)
ちなみに、この内田樹氏について、今何かと世間を騒がせている大阪市長は、こんな風にコメントしていたことがある↓


「成長を目指すのか、成長を放棄するのか」……こんなことを言っている時点で、この人の資質の限界が見えてしまう。
敢えてこのくだらない土俵に乗って言わせてもらえば、あなたの言うような「成長」は、放棄するとかではなくて、もうやめなければいけないと僕は思っているのよね。危険物であると思っている。だから、「成長を放棄してもいいのか?」なんて文言は脅しにもなってない。

あなたがたの言う「成長」の正体について、内田氏はきれいに論破している。実に気持ちがいい。

メディアが持ち上げるアベノミクスなる「成長戦略」について、浜矩子氏はこう言っている(東洋経済ONLINE インタビュー)

//
「浦島太郎型成長至上主義」への執着によって何が得られるというのか。

浦島太郎は、長い間、竜宮城にいたために、地上に戻ってきて昔を忘れられません。彼らは、自民党が政権を握っていた高度経済成長時代の考え方からいつまでも脱却できず、「昔に戻りたい」とつねに考えているのだと思います。

そもそもこの間、日本に欠けていたのは成長ではありません。問題は「分配」です。過去の成長の果実として、日本はいまやとてつもない冨の蓄えを形成している。ところが、その富をうまく分かち合えていない。


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