他にも、自分は家に戻って仕事を続けていても、子供たちを県外の線量の低い場所に避難させるために毎日遠方まででかけて受け入れ先探しや手続きに追われたり、移転先を探し回ったり、仕事探しに明け暮れたり……。
みなそれぞれに大変な目にあっている。
こんな時期に「いつ家に戻れたか」と訊いていること自体がバカげている。
誰一人、まともな状態では戻れていないのだから。
現場を知らない役人や企業人たちが机の上でもっともらしく線引きしたり基準を決めたりしている図には辟易する。
いちいち腹を立てていてもきりがないので、自力で動ける範囲内で自分の生活を、人生を守っていくしかない。
それが今のフクシマの姿だ。