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「平成生まれ3000万人!そんなコト考えた事なかったクイズ」(朝日放送)というのが8月28日のゴールデンタイムに3時間枠を使って放送され、物議を醸した。
ネットでさんざん取り上げられているので、今さら書くのもアホらしいと思いつつ、「いや、突っ込むのはそこじゃない」というところばかりが批判されている気がするので、モヤモヤを吐き出してみる。
結論を先に言えば、この番組がひどいものになった原因は、
- 「そんなコト考えたことなかった」という着眼点はいいのに、無理矢理「平成生まれは〜」ともっていった制作姿勢がダメだった
- 制作側にも「そんなこと考えたことないし、考えてもしょうがない。私は言われた仕事をこなすだけ」というスタッフが多かった
- 企画した上のほう(昭和生まれのPやD)が「それは視聴者には難しすぎるからカット」を連発したので、問題の練り込みは雑に、解説部分は間違いだらけでグダグダになった
……ということだと推察する。
言い換えれば、無気力・無教養・傲慢の合わせ技だ。
以下、具体的に見ていきたい。
この番組の意図と見どころについて、
番組紹介サイトにはこう書かれている。
昭和生まれにとっての当たり前は平成生まれに通用するのか?
それを検証するため、昭和生まれの芸能人たちが「平成生まれでもさすがに知っているだろう」ということをクイズで出題していくバラエティ!
で、どんなクイズ(質問)が出されたかというと、
- (1)牛肉は牛の肉。豚肉は豚の肉。ではトリ肉は何の肉?
- (2)ご飯に梅干しが乗った弁当を一般的に何と呼ぶ?
- (3)車はガソリンで動いているが、電車は何で動いている?
- (4)家庭で使うガスは元々地球上のどこにあるもの?
- (5)トイレのウンチはどこを通り、どこへたどり着く?
- (6)雲から降る雨は、そもそもどこの水?
- (7)夜に輝く月。どうして光ってる?
- (8)1年に366日ある年を何という?
……というもの。
で、ネットで叩いていた人たちの代表的ないい分をまとめると、
- 常識のない人は年齢に関係なくいる。「平成生まれは常識がない」という括りが先にある番組制作意図が許せない
- 鶏肉と漢字で書けばいいものをわざと「トリ肉」と表記して「鳥の肉」という答えを誤答だとするのはおかしい
- あんな常識問題を間違えるはずがない。台本があるヤラセだ
というのが代表的だった。
1 は至極ごもっとも。「こういう子どもに育てた昭和世代の親こそ恥ずかしい」という声もあった。それもごもっとも。
2 は……どうでもいい。この問題を見たら普通、出題者の意図が分からないはずはないし、「鳥」と答えている子はムキになって「スズメとかニワトリとかツバメとかいっぱいいて、その全般みたいな……」と答えていた。別の子は「焼き鳥屋さんとか行ったらスズメとか出てくるじゃないですか」と言っていた。さらに別の子は「一種類なんですか?」とムキになって反論していた。
ネットにいっぱい出てくる「問題が悪い」の声は、まさにこの子と同じで、ニワトリと答えさせたいならちゃんと「鶏肉」と書くなり、「スーパーやコンビニで売っている唐揚げに使われている肉は」と、限定した問いかたにしない番組制作者のほうがバカだ、というもの。それも分かるけれど、まあ、大した問題じゃない。問題の作り方が雑だな〜、で終わり。
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多分、この人は番組制作側の思惑通りの答えを出したのだと思う
3 については微妙なところ。見直してみても、台本があって、わざとウケ狙いの答えを書かせていたと思えるシーンは少なかった。反論していた子たちの表情や声のトーンで分かる。
番組制作側のスタッフに教養がない