常総市の洪水被害 ソーラーパネル設置箇所をめぐる情報錯綜のまとめ
2015-09-15


ために、実際にここを起点として越水したことで相当動揺したのではないか? 上三坂地区などに避難指示が遅れたことについても、最初の越水の対応に追われてしまったため、と説明している。(テレビのインタビュー画面など)
  

「ソーラーパネル設置が原因はデマ」「いや、デマではない」の応酬



テレビで最初に大々的に報じられた堤防決壊現場がソーラーパネルで自然堤防を削った若宮戸地区から4〜5km南だったことから「場所が全然違う」「これはデマ」といったコメントがネット上にあふれる。

当初、「越水」と「決壊」の言葉の選択を誤っていた書き込みはあったが、堤防決壊の前にそれよりも北側の広いエリアですでに午前中に浸水、孤立していたことは事実。(「アピタ」の周辺など)

早川由起夫氏が作成した今回の浸水被害状況マップは⇒こちら

ソーラーパネル設置場所はそもそも他より低かったので、「決壊」する前に「越水」し、住民は浸水被害を受けていた。このソーラーパネル設置場所からの越水が下流側での決壊に結びついたかどうか(「誘い水」的に働いたかどうか)を検証することは重要だが、たとえ直接結びつかないという結論になったとしても、「まっ先に水が越えてきた」場所であり、それによって多くの建物が浸水し、人が孤立した現実は揺るぎようがない。

同様の危険性が全国で急速に増加

ウィンドタービン(大型発電風車)やメガソーラー施設が、国の「再生可能エネルギー」推進政策(そこからの電力の高額買い取り)によって、新しい投資話、金儲け目当てで急速に建設されている。
山林の多いこれらの施設は山や林を削って建設されることが多く、全国で地形が変えられ、生態系が破壊され、さらには今回のような自然災害を引き起こす原因を作っている。

<太陽光発電>業者、無許可で危険斜面掘削 和歌山の山林
 土砂崩れの恐れがあるとして「土砂災害警戒区域」に指定されている和歌山県紀美野町の山林で、大阪市の太陽光発電事業者が売電用に太陽光パネルの設置工事をした際、無許可で斜面を削るなどしていたことが、同県などへの取材で分かった。県は業者に対し文書指導や是正勧告を繰り返しているが、斜面補強などの対策は取られていない。自然エネルギーの利用促進が災害リスクを高める事態になり、県は設備の撤去命令なども検討している。
(略)
業者は毎日新聞の取材に「危険のある区域とは知っていたが、開発に制限があるという認識がなかった。斜面の掘削は、任せていた工事業者が勝手に削ってしまった。善処するつもりだが、めどは立っていない」と話した。
(毎日新聞 2015/09/06 稲生陽)

豪雨に見舞われた仙台市太白区羽黒台で11日午後、住宅地の斜面に設置してあったソーラーパネルが道路上に崩れ落ちた。
(2015/09/11 共同通信社)

太陽光発電や風力発電が日本の国土、電力事業システムの中でどれだけ有効かという検証がされていないまま、無茶な補助金をつけて優遇、推進されていること自体が間違っているというのは以前から指摘してきたことだが、それ以前の問題として、「ソーラーパネルは建築物ではないので設置に特別な許可はいらない」などという法の未整備を早急に改めなければならない。
除染事業もそうだが、合理性を追求しないままに巨額の税金や公共料金を注ぎ込み、無理に進めた結果、国土が破壊され、住民が苦しむような政策が多すぎる。

利権どろどろの悪代官的政治と、勉強不足による正義感ぶったおっちょこちょい政治、性格は違っても、理不尽で不幸な結果をもたらすことは同じだ。


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