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20km圏内一律を「警戒区域」指定した国家犯罪
上の図は、昨日(4月21日)に発表された最新版の放射線量測定マップです。
この図を見ても分かるように、3月15〜16日の放射性物質大量漏出(主に2号機から。3号機、4号機からのも加わった)で、汚染されてしまった地域はほぼ固定しています。放射性ヨウ素(半減期8日)はすでにほとんど消えているはずなので、今放射線を出しているのはセシウムが主体でしょう。ストロンチウムもあるかもしれませんが、だとすれば相当恐ろしいことです。
図中、1マイクロシーベルト以上のポイントはピンク、2マイクロシーベルト以上のポイントはオレンジ色で示しました。
逆に、20km圏内でも1マイクロシーベルト未満のポイントは緑色で示してあります。
これを見れば一目瞭然ですが、放射能汚染の度合は距離と連動していません。これはとっくに分かっていることです。
いちばんひどい漏出のときにたまたま吹いていた風、そして降り出した雨によって決まってしまったのです。結果、飯舘村や浪江町津島周辺がひどい汚染を受けましたが、これはたまたまそのときの気象条件による結果であり、条件次第では首都圏が同じレベルで汚染されていた可能性もあるのです。
もちろん、今も放射性物質は出続けていますし、今後も3月15〜16日のような、あるいはもっとひどい濃度の放射性物質の大量空中放出が起きないとは言いきれません。そのための警戒区域指定だと政府は言うのでしょうが、そうした危険性は、距離では決まりませんし、爆死の危険とは違いますから、万が一起きてから行動しても遅くはありません(政府が情報を隠さない限り)。
そもそも、避難しろと言うのであれば、飯舘村や津島の人々をもっともっと早く移動させていなければなりません。今頃何を言っているのでしょうか。
ちなみに、私の住む川内村には、役場前(第一原発から22kmくらい)と、複合医療施設「ゆふね」(同19kmくらい)の二か所に定点計測器があり、毎日、放射線量を記録しています。ここ数日の結果は、
■ 測定地:川内村役場
(測定日時/測定値)
4/13 17:00/0.30マイクロシーベルト/h
4/10 9:30/0.34マイクロシーベルト/h
4/08 13:00/0.38マイクロシーベルト/h
4/06 12:30/0.39マイクロシーベルト/h
4/04 6:00/0.45マイクロシーベルト/h
4/03 9:30/0.46マイクロシーベルト/h
4/02 12:30/0.47マイクロシーベルト/h
4/01 11:00/0.51マイクロシーベルト/h
■測定地:ゆふね
(測定日時/測定値)
4/13 17:00/0・97マイクロシーベルト/h
4/10 13:15/1.03マイクロシーベルト/h
4/08 12:50/1.09マイクロシーベルト/h
4/06 12:20/1.15マイクロシーベルト/h
4/05 14:00/1.17マイクロシーベルト/h
4/04 11:00/1.25マイクロシーベルト/h
4/03 9:00/1.25マイクロシーベルト/h
4/02 11:30/1.30マイクロシーベルト/h
4/01 14:00/1.34マイクロシーベルト/h
……となっています。
4月14日以降のデータがまだ掲載されていませんが、文科省のモニタリングカーによる計測では、役場のそばで4月21日10時58分に0.6マイクロシーベルト/hでした。
今週の風(主に海側から吹きました)と雨で少し増えていますが、それでも1マイクロシーベルトには達していません。
一方、文科省のモニタリングカー調査最新版(21日夜発表)によれば、
福島市杉妻町(約60km北西) 1.8マイクロシーベルト/h
伊達市霊山町石田彦平(約45km北西) 2.9マイクロシーベルト/h
郡山市大槻町長右エ門林(約55km西 1.2マイクロシーベルト/h
郡山市豊田町(約60km西) 1.7マイクロシーベルト/h
……などなど、30km圏外の都市部のほうが川内村より高い数値を記録しています。
放射能汚染の危険性という観点からは、20km圏内一律立ち入り禁止措置にする理由はまったくありません。
肝心の20km圏内エリアでの放射線量測定値を、政府はずっと発表しませんでした。発表したのは、20km圏内を危険区域にしてからです。こんなバカな話がありますか。
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