30km圏避難指示をしてはいけない
2011-03-29


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報道では、今頃、2号機の炉心から冷却水がだだ漏れになっているらしいと伝えている。
当初から、「分かっている」記者(極めて少数)は、東電の会見でも「入れた水の分減っているということは、容器が壊れているから全部漏れているということじゃないんですか?」と問い詰めていた。東電も保安院も「確認中です」なんて答えていたが、分かっていたはず。
今日の毎日新聞によれば、だだ漏れ状態の水が外のトレンチにまで流れ込んで、もうすぐあふれ出すらしい。

// トレンチはタービン建屋と海との間にある凹字形トンネルで、非常用電源を冷やすための海水が通る配管や海水をくみ上げるポンプのケーブルなどを納めている。普段は水がないが、1〜3号機とも地表付近まで水で満たされているのを27日午後3時半ごろ発見、直後に線量を測定した。
 2号機のトレンチの水は1000ミリシーベルト(1シーベルト)以上で、同タービン建屋地下の汚染水と同様、炉心の冷却水の10万倍以上のレベルだった。1号機は0.4ミリシーベルト、3号機はがれきがあるため近寄れず測定していない。周辺の大気の放射線量(1時間当たり)は▽1号機0.4〜1ミリシーベルト▽2号機100〜300ミリシーベルト▽3号機0.8ミリシーベルト。 //

テレビでは「満水」とか言っているが、このトレンチというのは本来水を入れておくものじゃない。配管やケーブルを収めてあるU字溝みたいなもの。そこが水浸しになること自体、絶対あってはいけないのに、とんでもない汚染水が溜まってしまって排水する場所もないという地獄の状態。
1シーベルト以上というのは、おそらく測定上限が1シーベルトで、振り切れてしまったということだろう。
(今まで馴染んできたマイクロシーベルトでいえば、100万マイクロシーベルト以上ということ)
この汚染された大量の水を他に移すには、それを格納する大型の密閉容器がいくつも必要。汲み上げるポンプも配管も汚染されるから、使い捨てなければならない。無論、設置する人、作業する人の被曝量は半端ではない。

こういう事態がこれから先ずっと続くのだから、第一原発周辺は、ある程度事態が収拾した後も、長期に渡って立ち入りできない「管理区域」になることは間違いない。
現在も、すでに原発から半径30km圏の境界に検問があり、20km圏内は立ち入り禁止区域だということを書いたチケットのような紙を渡されるらしい。この立ち入り禁止区域を20kmではなく30kmまで広げるという議論も行われている。
20km圏、30km圏内というのがどの程度の範囲なのか、首都圏に住んでいる人たちはピンとこないと思うので、東京を中心にした20km圏、30km圏をざっと示してみた(上の画像。クリックで拡大)。
東京湾に原発があったとして、そこから20km圏内だとすると、南は横浜市鶴見区まで。東は習志野、船橋、市川、松戸が含まれる。北側は埼玉県の草加市、浦和。北西側は所沢市が入り、西側は三鷹市、調布市。南西は川崎市の宮前区、横浜市都筑区あたりまでが含まれる。
30km圏内だと、千葉県は千葉市、柏市、埼玉県は大宮、所沢、東京都下は多摩、国分寺、町田、神奈川は横浜もすっぽり入ってしまう。
つまり、福島第一原発が東京湾にあれば、首都圏は東京だけでなく、千葉、埼玉、神奈川も含めてすっぽり全部「立ち入り禁止区域」なのだ。
今、福島の人間は、これだけ広範囲の場所に立ち入りを禁止されているという現実を知ってほしい。


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