今回の騒動で、今さらながら「ルールに従った透明性のある人選を」とか言っているので、
公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の定款や運営規程を読んでみた。
第11条 当法人に、評議員3名以上7名以内を置く。
2
評議員は、理事及び監事を兼務することはできない。
(約款第4章 評議員 より)
第23条 当法人に、次の役員を置く。
(1) 理事3名以上35名以内
(2) 監事1名以上3名以内
2
理事のうち1名を会長とし、会長以外の理事の中から副会長、専務理事、常務理事を置く。
第24条
理事、監事及び会計監査人は、評議員会の決議によって選任する。
2 会長、副会長、専務理事及び常務理事は、理事会の決議によって選定する。
(約款第6章 役員及び会計監査人 より)
川淵三郎氏は評議員なので、現時点では理事にはなれない。理事ではないので、会長にもなれない。
川淵氏を会長にするには、
1)川淵氏が任期途中で評議員を辞任する
2)川淵氏が抜けた評議会が川淵氏を理事に任命する
3)川淵氏が入った理事会が川淵氏を会長に選任する決議をする
……という3段階が少なくとも必要だった。
現在の理事(会長、副会長、専務理事、常務理事を含む)の
名簿は⇒こちら
定員枠35人いっぱいいるので、川淵氏を理事に迎え入れるには誰か一人がやめないといけない。それが森喜朗現会長?
ちなみに、常務理事以上の役職理事10人は全員が男性。
今、次期会長候補として名前があがっている橋本聖子氏(国務大臣・東京オリンピック・パラリンピック競技大会担当)、鈴木大地氏(アジア水泳連盟副会長)は理事にはなっていないので、会長にするためにはまず理事にしないといけない。そのためには評議員会の決議が必要。
室伏広治スポーツ庁長官の名前もあがっているようだが、スポーツ庁長官と兼任というのはどうなのか、という意見が出るだろうし、当人は固辞するだろう。
第 2 章 評議員会の招集の手続等
(招集の手続)
第2条 当法人定款第18条第1項に基づき
評議員会を招集する場合には、理事会の決議によって、次の事項を定める。
(1) 評議員会の日時及び場所
(2) 評議員会の目的である事項があるときは、当該事項
(3) 評議員会の目的である事項(当該目的である事項が議案となるものを除く。)に係る議案の概要(議案が確定していない場合にあっては、その旨)
(略)
第3条 評議員会を招集するには、会長(前条第2項の場合にあっては、当該評議員)は、評議員会の開催日の5日前までに、評議員に対して、会議の日時、場所、目的である事項を記載した書面又は評議員の承諾を得た電磁的方法により通知をしなければならない。ただし、会長に事故があるときは、副会長が招集する。
第4条 前条の規定にかかわらず、
評議員全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく、評議員会を開催することができる。
(評議員会運営規程 より)
理事会運営規程にも同じように、
2 前項の規定にかかわらず、理事会は、理事及び監事の全員の同意があるときは、招集の手続を経ないで開催することができる。
という条項がある。
つまり、最短コースを取ると、
1)評議員全員が同意して評議員会を臨時開催し、新理事を迎え入れることを決議する
2)理事及び監事の全員が同意して理事会を臨時開催し、新理事を会長に選任することを決議する
……ということになるのだろう。
しかし、
理事が30人以上もいて、会長は理事会が決めることになっているのに、わざわざ後任会長選定のための「検討委員会」設置って、なんなんだろう。