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森水学園　用務員・杜用治さんのノートより

（1974年4月26日）
村の中でもあちこちに桜が咲き始めた。
天気もいいので、校庭のベンチに座ってボ〜ッとしていたら、白衣（といってもかなり汚れていてねずみ色に近い）を着た婆さまがとぼとぼと歩いてきて、黙って俺の隣りに座った。

�禺画像]婆さま：　あんたはここのセンセイかね？

�禺画像]俺：　 いや、ただの居候ですよ。村のみんなは用務員さん、って呼ぶけどね。そういう婆さまは何者なんですか。この村の者じゃないみたいだけど。
�禺画像]　宗教家？　布教して回ってるってことですか？　仏教系？　キリスト教系？　
�禺画像]　 かけあし教？　聞いたことないなあ。面白そうだけど……。
�禺画像]　 長くならないなら、聴いてもいいですよ。
�禺画像]　 いや、まだですね。
�禺画像]　 それなら、俺にはまだ早いか……。
�禺画像]　じゃあ、お願いします。
�禺画像]　それで「駆け足教」っていうわけですか？
�禺画像]　かけ算？
�禺画像]　0歳児じゃ、何も考えられないし、言葉も使えないですよね。
�禺画像]　……う〜ん。……それで？