私は太陽光発電を全否定しようとしているわけではない。送電施設を作ることが難しい or コストが合わない僻地などでは当然有効かつ必須なものだろうし、近年、ソーラーパネルの性能が上がっていることも確かだろう。
では、ソーラーパネルはどの程度進歩しているのか?
最近の効率や耐久年数をちゃんと教えてくれるデータを探していたら、
こんなページに行き着いた。
「化石燃料枯渇後の再生可能エネルギー(再エネ)に依存する社会への移行は、FIT(再生可能エネルギー固定価格買取)制度を用いた今すぐの移行ではありません(その1) 地球温暖化対策として、電力料金の値上げで国民に経済的な負担を強いる不条理なFIT制度を用いた今すぐの再エネの利用・拡大が、科学の常識を無視してやみくもに進められています」(東京工業大学名誉教授 久保田宏、日本技術士会中部本部・事務局長 平田賢太郎)
このWEBページの論文の中にはいろいろな試算データが出てくるが、中でも目を引いたのは、「FIT制度を適用した再エネ電力の導入で、
年間平均設備稼働率の計算値が100 % を超える非常識なデータを資源エネルギー庁が発表しています」という部分。
「日本エネルギー経済研究所編;EDMCエネルギー経済統計要覧2017」(一般財団法人省エネルギーセンター)というものがある。
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ここに出てくるデータを検証していくと、非常に不可解なことがたくさんあるのだという。
たとえば、
1)
FIT制度の適用認定を受けた設備のなかの運転しているものの比率
という数値。これは
認定を受けた設備の何パーセントが実際に稼働しているのかという数値だが、太陽光発電の場合、2012年は8.3%。2015年は34.1%となっている。
認定を受けながら実際には稼働していない太陽光発電所のほうが多いということが分かる。
FITでの買い取り価格が高い年度に認定だけ取っておいて、実際に設備投資するのは様子見しているところが多いわけだ。
2)2015年度の太陽光発電の発電設備容量3,284 万kW、発電量 793.8 k?という数値をもとに太陽光発電の年間平均設備稼働率の値を計算すると、11.9%となる。同様に2011年〜2014年度の設備稼働率を計算してもまったく同じ11.9%となる。
5年間、年間平均設備稼働率がまったく同じ数値というのは不自然ではないか。
同様の計算を風力発電や廃棄物+バイオマス発電についてもしてみると、やはり年度に関係なく、それぞれ19.9%、66.9%と出る。この数値は一般に公表されている再エネ電力の設備稼働率の数値とほぼ一致する。
つまり、ここに示されている
再エネ電力の発電量数値は実測値ではなく、あらかじめ各再エネ電力に対して、それぞれに固有の年間平均設備稼働率の値を推定して計算した数値としか考えられない。