「敗北主義」と「諦観主義」
2015-09-06


禺画像]
今年も登場したキャラクター案山子
禺画像]
日光仮面もいる。これ、ご当地キャラとしては「ゆるさ」の方向性が他とちょっと違うので、嫌いじゃない

敗北主義と諦観主義

デモで法案は止められないが、負け方が重要……という敗北主義

スポーツ関連のイベントプロデュースやWEB制作を手がける会社の社長をしている清義明氏が、自身のブログで「国会議事堂前の『敗北主義』 −最後に笑うものが最もよく笑う・・戦後左翼史のなかの市民ナショナリズム」という長い文章を公開している。

55年体制、日本共産党史、左翼と新左翼の違いなどなど、戦後日本の政治や社会運動史について事細かに説明していて勉強になるが、冒頭部分と最後の部分で非常に重要なことを示唆していると思うので、一部、抜き出してみたい。(太字はこちらで処理したもの)

安保法制を巡って、その反対派が国会議事堂前でデモを行いました。過去最大規模だそうです。(略)
このデモの結論は明らかです。

この法案は可決されます。間違いありません。

そして、このことは国会議事堂前に集まったすべての人は皆知っているはずです。

この類のデモというのは基本的に議会制民主主義の中では最初から敗北しています。法案を提出した自民党が議席の絶対多数をもっているのですから当たり前です。そしてそれでもやるというのは「敗北主義」です。

ここでいう敗北主義とは、負けるとわかっていてもやらねばならないという態度のことです。なぜならばそれが次につながるからです。そうすると、この敗北主義というのは負け方が重要なことになります。いかにうまく負けるか、それが焦点です。

ここで負けても実は最後には勝っている・・・それを目指すのが敗北主義の目的です。議会制民主主義を肯定するならばそれは当たり前の態度です。ここで安保法案が成立しても、次の選挙で勝てばいいだけですから。よって負け方が次につながらないと如何様にもならない。

 ……安保関連法案が必ず可決することを「国会議事堂前に集まったすべての人は皆知っているはず」だったとは僕は思わないけれど(そう思う人が多かったらあの数にはなっていないはず)、前回の選挙の結果が出たときから、安倍政権がこういうことをやってくる、そしてそれを阻止できないだろうということは僕自身確信していた。
「頑張れば勝てるはずだ」「世の中は変えられる」と信じている人たちのことを、清義明氏はこう説明する。
ところが往々にして敗北主義なのに本気で戦って敗北してしまう人がいるのは政治の世界ではよくあることです。勝てるはずもない戦いに勝とうとすれば、それだけ傷も深くなる。もちろん動員のために、タテマエとして勝利を目標にするのはあるでしょう。だが、それをタテマエだとわからなくなってしまう人がいるのもよくあるパターンです。

ホリエモンという人が、デモに参加する学生は自分だったら採用しない、思想が理由ではなく仕事できなそうだから・・・みたいなことを言ったと聞きます。これはこの事を指します。敗北主義を本気になってやって、それ自体が何事かを成すと思いこんでいるのは、バンザイ突撃を繰り返して死屍累々の無惨を晒した日本軍と同じだと私も思います。
(略)
国会前に集まり抗議するのは、首相官邸前で抗議するのに動員をかけた3.11以降の反原発運動からの流れです。この首相官邸前抗議が、これまでの市民運動のスタイルから歴史的に隔絶されたものというのは気づいている人は多いと思います。それは思想もさることながら、動員のスタイルや人的リソースにまで及びます。
 ……ここから長い戦後の思想対立・闘争史の解説があって、その後、こう指摘している。


続きを読む

[ガス抜き話]

コメント(全0件)


記事を書く
powered by ASAHIネット