それをよりによって関東の大水源、水の聖地とも言える高原山の山麓に運んで埋めるとは、神をも恐れぬとはこのことだろう。
塩谷町に処分場を作るという話は、処分場(焼却施設含む)を作ることそのものが目的になっている。
そこに生じる利権。ゼネコンや焼却炉メーカーの金儲け。
環境省がゴミ処理ビジネス、処分場ビジネスの親玉になって利権を思うように操っていることは、業界の人間なら誰もが知っている。
ダイオキシン騒ぎを演出し、全国に新型焼却炉を設置する事業を仕切って国交省や経産省のような大型利権の味をしめた後は、腐敗の一途をたどる環境省。
工事が始まれば、まず狭い林道の拡幅工事が始まり、何年かして道ができれば大型ダンプや重機やコンクリートミキサー車が引っ切りなしに通行する。そうなったら塩谷町の人たちの暮らしはもうおしまいだ。
処分場が完成し稼働する前に、沢筋や湿地などは跡形もなく消滅し、関東一円に水を供給している聖地は死に体となっているだろう。
環境省にはまともな人間が一人もいなくなってしまったのか。たとえ政府が何を命じようが「それはなりませぬ」と身体を張って止めるのが環境省の役割ではないのか。
この動画を見ていて、20年前に書いた小説
カムナの調合 -The Ultimate Compound-禺画像] を思い出した。まさにあの小説のテーマが現代に蘇ったな……と。
あれを書いたときはまだ中越地震も原発爆発も起きていなかった。
『マリアの父親』の最後の舞台を北海道幌延から福島県に移して書き直したのが『新・マリアの父親』だが、『カムナの調合』も、最後の舞台を栃木に移して書き直してもいいかな……と思っているところ。塩谷で戦っている人たちに捧げたい。
Kindle版 と 絶版になった書籍