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最近は週刊誌など滅多に買わないのだが、だいぶ前に余っていた図書券で気まぐれに買った週刊現代(2014年8月16・13日合併号)に興味深い記事があったのを見つけた。
「資産10億円を約束されて生まれてくる子供たち ──人口減少社会とは不平等社会のことである」というタイトル。
現代のように、子供を持たない家庭が増えてくると、金持ち層は親戚(両親の兄弟など)の遺産まで転がり込んでくることがある。一方で、貧困層では、両親が生活力のなくなった親や兄弟の分まで面倒を見なければならず、自分の子供に教育費をかけられない。子供に渡るべき親の稼ぎが外に流出していき、子世代はさらに貧困にあえぐ。その結果、少子化が進めば進むほど富裕層と貧困層の格差は拡大する……という話。(上の図 Clickで拡大)
なるほど。
以前にちょこっと紹介した「オレオレ詐欺は金持ち層のマネーロンダリングではないか説」も興味深かったが、この視点も、それはそうだなあと思った。
まあ、実際にはそんなに単純ではないだろう。
金持ちは余裕があるから子供を作れる。子だくさんの金持ちというのはあまりいないが、自分の資産を受け継がせる「相続人」として確実に一人二人は子供を作ろうとする。
一方、貧困層には後先考えずにできちゃった婚とかも多いから、やっぱり子供を作る。しかも早い人は十代など若い時期に子供を作るから、その子がまた若いときに親世代同様できちゃった婚で子供を作って……という連鎖で子供が増える。
周囲を見渡してみると、お金がなくて、先のことを考えるインテリ中間層あたりがいちばん子供を作らないような気がする。
結果、世間知らずのまま権力を握ってしまう危険な金持ちと、それをなんとなく容認したり、あげくは崇拝したりする底辺層が増える。
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これは総務省統計局が発表している日本の人口ピラミッド図。見ると、改めて戦後ベビーブーム、第二次ベビーブームというのが大きな塊を形成していることが分かる。
昭和22年〜昭和24年(1947〜1949年)生まれの人たちを「団塊の世代」などと呼ぶ。この3年間だけで出生数合計は約806万人もいる。
平成22年〜平成24年(2010〜2012年)生まれは合計で約306万人。これだけ違う。
少子化そのものは言わば自然の摂理、いや、正確には社会に適合しようとする本能とも言える。
戦争で日本人が数百万人死んだ(国の愚策に殺された)。人口が数百万人減った戦後、物資が少ない中でも子供を作って人口を埋め戻そうとしたのも人間の本能だろうし、今のような閉塞感に押しつぶされそうな社会で子供を作る余裕なんてとてもない、というのも自然な気持ちだ。
少子化対策しなければ、と騒いでいるのは金持ちである。自分たちにサービスを提供する底辺層の若者人口が減っては困ると、これまた「本能的に」動いているのだろう。
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これは同じ資料からで、今の女性は何歳くらいで子供(第一子)を生むのか、という図。
30〜34歳の世代がいちばん多い。
かつては出産適齢期は二十代前半と言われていたが、二十代前半より三十代後半で第一子を産む女性のほうがずっと多いことも分かる。
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次にこれを見ると、
「子供を作る人」は減っているのに、「子供を3人以上作る人」は逆に増えていることが分かる。