長野県県立高校入試問題数学の問題はよい問題
2012-03-30


禺画像]
放射能問題ばかり続いて、このブログも内容的にかなり辛くなってきたので、ここでちょっと頭の体操というか、息抜きの話題をひとつ。
こんな算数?の問題。
問1 「周囲が12cmの丸い蓋があります。この縁のスタート地点Aからアリが毎秒2cmの速さで蓋の周縁をぐるっと回り、10秒後に止まりました。この10秒の間に、出発点から直線距離でいちばん離れた地点(蓋を隔ててちょうど正面の地点)を2回通過しました。2回目に正面地点に来たのは何秒後で、そのとき何cm動いたことになるでしょうか?」

……図にするとこんな感じ↓

禺画像]

簡単ですよね?
円周が12cmで、秒速2cmで動くのだから、1周は6秒。正面の位置(時計の6時地点から見れば12時の位置)に来るのは半分の6cmだから3秒後と9秒後ですね。
では次の問題。

問2 「今のアリの動きをグラフで表すと下図のようになります。y は進んだ距離(cm)、x は経過時間(秒)です。このグラフ上で、アリが2回目に出発点からいちばん離れた地点(正面地点)を通過するときの時間と進んだ道のりを表す点の座標を求めなさい」

こういうことですね↓(赤い点線が2回目に出発点の正面に来るポイントを表している)
禺画像]

中学生になると、算数から数学というものに変わるんですが、多くの場合、数学教師が算数と数学の違い、考え方の違いをきちんと教えないまま、ただ教科書に出てくる例題を解いて見せて、丸暗記させるということをします。その結果、一気に数学嫌いの生徒が増えます。
数学は代数と幾何に大別できますが、代数の考え方というのは、文字通り「数」の代理をさせる言葉を学ぶというか、数学という言語の文法を教えるものだと僕は思っています。
定数とか変数という概念。式の中に数を「代入する」という方法論。
上の問2は、小学生までに習っていた算数とは違う世界にこれから入っていきますよ、という、優しいオリエンテーションのような問題ですね。
中学に行って最初に習った代数が一次関数でした。
y=ax あるいは y=ax+b という式で表せる、斜めに一直線に伸びるグラフと一緒に学んだあれ。
こんな基本的なことさえも、今の僕は忘れていますが、これを書きながら少し思い出してきました。

で、平面の座標というのは、x軸とy軸の二次元で表せる、なんてことも一緒に学びました。
今までは「ここから東の方向に200mくらいのところかなあ」なんていう言い方しかできなかったのを、「この地点をx,y=0 として、北がy,東がx、単位をmとすれば、x=202,y=3の地点」なんて言い方ができるようになる。これも、算数から数学に進んだ証だったわけですね。
この問題はそれを思い出させているような問題。
答えは「9秒後に6mの位置」なので、 x=9,y=6 です。

問3 「上の図で、xが6以上10以下のとき、つまりアリが2周目に入って10秒後に止まるまでの間のy(スタート地点からの道のり)をx(スタートしてからの時間)で表しなさい」


どんどん数学っぽく?なってきました。
アリは毎秒2cmで動いているので、動いた道のり(y cm)と時間(x 秒)は y=2x で表せます。
ただし、円周上を回っていて、y(出発点からの道のり)は元に戻るとゼロリセットするということなので、6秒でゼロに戻されます。だから、2周目に入ったときのy(出発点からの道のり)は、x(時間)から6秒の分を引けばいい。
つまり、xを「x-6」にすれば2周目の式になります。毎秒2cmは変わらないから、xの代わりに(x-6)を入れて y=2(x-6) 。カッコを外すと、y=2x-12 ですね。

……数学をすっかり忘れている僕も、このへんまではなんとなく思い出せました。

問題はさらに続きます。


続きを読む

[ガス抜き話]
[無能な政治家]

コメント(全0件)


記事を書く
powered by ASAHIネット